自分のコミック作品をWEB上に公開するのはすでに当たりとなっています。
日本でもネットコミックは増えていますが、海外ではもうかなり前から展開されています。
現在いちばん有名なコミックポータルサイトはLINE WEBtoon とTapasです。
しかし、かつてはInkblazers というサイトが有名でした。
2011年に誕生したこのサイトはコミック作品のWEB掲載はもちろん、プリントして単行本として売るシステムもあったのでアーティストにとってはまさに願ったりなサイトでした。
ところがInkblazersは2015年2月に詳細不明の資金難で閉鎖となってしまいます。
その前年末に閉鎖が予告されて以来、多くの難民がTapasに流れ着き、Tapasは一躍巨大コミックサイトとなります。
しかしこの2つのサイトはアーティストにとってあまり利益をもたらすものではないことも確かです。Tapasには去年末までPatreonのような支援システムがありましたが、「プレミアムコンテンツ(有料版)」の登場で無くなってしまいました。
多くのコミックアーティストにとって自分の作品から直接恩恵を受けたいのであればやはり自分のサイトに作品を掲載することが一番ですが、まだ技術的に難易度が高いのが現状なのです。
Shilin HuangさんのCarciphonaのようなスタイルはかつての主流ですが、PHPやJavascriptを使い横スクロールで読むInkblazersと同じスタイルはプログラムのわかる方でないと作れません。
しかしWordpressにComicPressというテーマがあるのでこちらを使って作る方法もあります。こちらは私もいくつか作成の経験があり、Wordpressのブログ投稿と画像投稿を一緒にしたスタイルなのでコミックに新しいページ(画像)を更新すればブログと同じように配信されるのでSEOとしても強力なコンテンツだと感じました。
その一方でWordpress特有のカスタマイズのやりにくさもあるので、やはりプログラムの判る方でないと自由なサイト作りが難しいと感じます。
でも私はコミック掲載のスタイルをそれほど難しく考える必要はないと思っています。
現在はスマートフォンなどでの閲覧が主流なのでTapasやWEBtoonのようにコミック画像を縦スクロールで掲載すればOKだからです。縦スクロールなら画像を上から下に順に貼るだけなのでHTMLでもブログでも簡単にできます。
フランスのアーティストDavidRevoyさんのコミック作品Pepper&Carrotは縦スクロールで閲覧する仕組みになっています。
しかもサイト自体はデータベースのいらない無料のブログCMSPluxmlで作られており、コミックの掲載は自分のサイトonlyで支援にはPatreonを使用しています。
世になかには「雑誌や単行本と同じようにヨコ閲覧で読むものだ」と思っている方が日本には未だ多くいらっしゃいますが、自分のコミック作品を見てもらう方法なんていくらでもあるということに気付いて頭を柔らかくしてみてください。
様々な媒体で閲覧する側やサイトにアップロードする側双方ができるだけ負担のかからないような方法を選ぶのが最適ではないかと思います。
というわけで自分のコミック作品を多くの方に閲覧できて恩恵を受ける方法は、
- できるだけ自分のサイトやブログに掲載する。(形式はタテが最適、サイト制作・閲覧側双方の負担にならないような形式に)
- Patreonなどの支援システムを使い先行公開する。Patreonのほかにも日本ではEnty・Fantia・PixivFANBOXを使うのも手です。
- TapasやWEBtoonのようなポータルサイトはあくまでも宣伝として使う(後でまとめて掲載など)。SNSを利用してできるだけ自分のサイトへ誘導することを忘れずに。